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ABOUT

私はこれまで「芸術の臨界点」についての研究と実践を行ってきました。日用品はどこから作品と呼ばれ、作品はどこから日用品になるのか。こうした興味から始まり、実践を交えながら活動をしていき、ときにはカフェであったり、倉庫であったり、ひいては都市の一角において、取材を通した物を設置、あるいは再設置するインスタレーションを行ってきました。私のインスタレーションはリサーチから場所に内在していた隠された経験を暴き、展示を見に来たという人よりも、普段からその場所を使う人々に働きかける。

そして主な展示空間を構成する手法として、レディメイドを行います。これはその場所に元々あった家具やインテリア、状況設定を使うことで、より行為性を排除した極めて合理的なインスタレーションとしての効果を与えます。こうしたレディメイドの手法は私にとって「制作行為の臨界点」であり、プロセスの消滅に近い省略から制作行為の根幹を探ります。

 

こうして場所に根差し、合理的な制作手段をとったインスタレーションは、かえって不合理な印象を見る人に与えることになる。それはまさしく現代社会が合理性を推し進める先で起こる脱人間的な結末であり、このようにして立ち現れるインスタレーションはそうした合理的な空間に潜む社会構造の非合理性を浮き彫りにしていきます。

​津田弘人

2026 by HIROTO TSUDA

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